オリンピックで採用される日本メーカー:オーディオテクニカが提供する低価格、一部ワイヤレスイヤホン

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 今回紹介する製品は、その安さから「いい製品だろうか?」と疑問を持つ人もいるかもしれません。しかし製品の生みの親:オーディオテクニカ社は、後述しますがオリンピックで採用されるなどの高い技術をもって、ハイエンドだけでなくローエンドの安くて性能の良い商品を提供する日本が誇る一流メーカーの一つです。最近は完全なワイヤレスイヤホンが日本国内外から多数発売されており、スマホとは接続しないものの、イヤホン同士はコードでつながっている一部ワイヤレスである今回の製品を「メリットあるの?」と不審に思う人もいるでしょう。ですが値段も考えると非常にコスパが良く、音質もいいことは納得いただけるでしょう。下記にその商品を紹介をしていきます。

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CD音源の曲を聴くだけならこの製品でコスパ十分!日本メーカーの高音質な一部ワイヤレスイヤホン

 今回紹介しているイヤホンはスマホやPCなどとはワイヤレス(Bluetooth 5.0)で接続できる、イヤホン同士がコードでつながっているイヤホンです。この紹介では「一部ワイヤレス」と表現させていただきます。対応コーデックはSBCのみ。SBCとは下記にリストを示しますが、最も基本的なコーデックです。

SBC (Subband Coding)基本的なコーデックで、Bluetoothオーディオで広く使用されています。
最大ビットレートは約328kbpsです。
遅延は約200ms前後です。
AAC (Advanced Audio Coding)主にApple製品で利用されています。
ビットレートは約256kbpsで、音質の低下はあまり見られませんが、遅延があります(約120ms前後)。
aptXQualcomm製のコーデックで、高音質を提供します。
ビットレートは約384kbpsで、遅延は約70ms前後です。
aptX LL (Low Latency)延遅が約30ミリ秒で、ビデオやゲームのオーディオ遅延を改善します。
SBCコーデックの典型的な遅延(約170ミリ秒)に比べて、約6倍速いです。
aptX HD (High Definition)24ビットと192kHzの音声で、最大ビットレートは576kbpsです。
aptX Adaptive既存のaptXとaptX HDを統一化したコーデックで、自動可変ビットレートを使用します。
再生中のコンテンツ(音楽、Netflixなど)や無線信号に応じて適切なビットレートを選択します。
最小ビットレートは276kbps、最大は420kbpsです。
LDACソニー製のコーデックで、高いビットレートをサポートしています。]
最大ビットレートは約990kbpsで、遅延は約1000ms前後です。
LC3 (Low Complexity Communication Codec)Bluetooth 5.2で導入された新しいコーデックで、高音質と低遅延を両立させます。
ビットレートは最大128kbpsで、音声通話や音楽ストリーミングに適しています。

 文中に「ビットレート」という言葉が多く出てきますがビットレートとは、1秒間にどれだけ情報を詰め込んでいるかを表す数値です。音質におけるビットレートとはサンプリングレート(Hz)× ビット深度(bit)で表され、サンプリングレートやビット深度を上げることで音質を向上させることができるとのこと。

 対応コーデックが他のイヤホンなどと比べると少ないことから「あんまり品質よくないんじゃ?」って声が聞こえてきそうです。しかし、対応コーデックが多数あっても再生する音楽ファイルそのものが貧弱だといい音では聞こえません。最近ではAmazon Musicなどでも「ハイレゾ対応」などを示した音楽が配信されるようになりましたが、この「ハイレゾ対応」の音源ファイルで聴かないと、良い音質で音楽を聴けていないことになるわけです。

 その点、今回紹介するオーディオテクニカの一部ワイヤレスイヤホンは対応コーデックを絞ったうえで、そのコーデックで聴くうえでの音質に非常に力を入れています。スマホで購入したCDなどをリッピング(録音)して音楽を聴いている方や、Apple Musicストアなどからハイレゾ対応ではない音源の曲を購入している人は今回紹介している一部ワイヤレスイヤホンで十分音楽を堪能することが出来ます。

オーディオテクニカ社とはいったいどんな会社?

 ここで、非常に技術力のあるメーカーながら日本では知名度がやや低いオーディオテクニカ社について箇条書きでご紹介します。


創業と初期製品

1962年に創業されました。当初はカートリッジの専業メーカーとして、オーディオマニア向けの自社ブランド製品や各放送局向けの業務用製品を手掛けていました。最初期の製品にはMM型ステレオ・カートリッジ「AT-1」と「AT-3」があります。

オリンピックでの採用

1996年のアトランタオリンピックでは、オーディオテクニカのマイクロホンが1,500本以上採用され、スポーツ収音の歴史を塗り替えました。

世界中の人々にスポーツの迫力を生々しく伝える役割を果たしました。

製品ラインナップ

ヘッドフォン: 廉価機から高級機まで幅広いラインナップを展開しており、音質と装着感を向上させるための機構を積極的に取り入れています。

マイクロフォン: グラミー賞やサマーソニックなど国内外のイベントで採用実績を持っています。

AVアクセサリー: HDMIケーブル、ヘッドフォンアンプ、アクティブスピーカー、AVセレクターなど、幅広い製品を提供しています。

デザインと美術館の関係

グッドデザイン賞受賞製品を多数生み出しており、外箱のパッケージデザインの美しさにも注力しています。

ブリヂストン美術館のスタッフとしてレコードコンサートの運営などをしていた創業者の松下秀雄氏が、オーディオテクニカを立ち上げました。


 上記のように非常に優れた技術を持つ会社であるとともに、製品のラインナップも安い商品を購入したいと思うユーザー側の意向も汲んでくれる会社であることは分かっていただけたかと思います。そしてせっかくなのでオーディオテクニカ社が販売しているプロ向けのヘッドフォンのリンクを下記に示してみました。参考になれば幸いです。

実はワイヤレスイヤホン「マイク」なので、ハンズフリーで通話をすることが出来る

 商品のパッケージにはそれらしきことは明記されていませんが、実はこの製品は「ワイヤレスマイク」でもあります。スマホとペアリングして使っているときに電話やLINE通話がかかってきた場合に、イヤホンマイクではクラシック音楽が再生中の音楽に割り込んで聞こえてきます。その際にリモコン部分のボタンを下記に示した取扱説明書の図のようにボタンを押すことで通話したり、通話音量を切り替えたり、通話を切ることが出来ます。筆者は今回紹介しているイヤホンの少し古いタイプで何度か長時間通話することがありましたが、通話音質も良好でスマホ本体を引っ張り出して耳に当てる必要がなかったので非常に快適に通話できました。もし難点をあげるなら、歩きながらイヤホンだけで通話していると独り言を言っているように見られることがあるというぐらいでしょう。

ATH-CK150 Audio Technica社の取扱説明書の通話をする

一部ワイヤレスのメリットは完全ワイヤレスと違い、イヤホンを片方落としてしまうなどのトラブルがないこと

 完全ワイヤレスイヤホンの欠点として、片方のイヤホンを外れたりしたときに、手の届かないところ(電車のホームからの線路など)へ落としてしまう心配があることです。ワイヤレスイヤホンが普及しだした頃には、イヤホンを落とさないようにという警告のポスターが貼られていることもありました。
 その点、今回紹介している一部ワイヤレスのイヤホンは、イヤホン同士をつないでいるコードを後ろ首に垂らすようにかけておくことで、万が一イヤホンが外れてもコードがあるので肩に引っかかって落ちないのがメリットです。完全ワイヤレスのイヤホンで「落としてしまうのが怖い」と考えてしまう方は、是非この商品の購入を検討してみるといいと思います。

安さゆえにノイズキャンセリング機能はつかず

 高級なワイヤレスイヤホンではイヤホンから流れている音楽を妨げるような雑音が聴こえてくる場合にその音を打ち消す「ノイズキャンセリング」機能がついていますが、いくらローエンドで高品質な製品を提供してくれるオーディオテクニカでも、今回紹介している製品にはノイズキャンセリングはついていません。ですが同社の金額の高いミドルレンジやハイエンドのモデルではノイズキャンセリングがついているものもあります。下記にノイズキャンセリングに対応しており、かつ完全ワイヤレスであるイヤホンのリンクを貼っておきますので、オーディオテクニカ社が気に入ったという方は是非商品を眺めてみてください。

フル充電で7時間連続再生可能。充電も2時間程度と毎日の使用で煩わしさはさほどない

 そして使用時間についてですが、紹介している製品では7時間の連続再生に対応し、フル充電するには2時間程度かかります。朝の通勤時や退勤時の電車・バスの内部で聴く分には十分すぎる再生時間ですし、フル充電するのも2時間と短く、毎日充電して使用する習慣をつければ全然問題なく使うことが出来るでしょう。なお、充電するコネクタ部分はUSB miniB端子です。商品購入時にType-AからminiBへ充電するためのケーブルはついていますが、添付品は短いケーブルなので長いケーブルが欲しい方は別途購入が必要です。

 現在長いケーブルをもっていてそのケーブルをminiBに変換する、という手法もあります。いろんな変換アダプタを複数扱っている商品が通販ではありますので、値段も1000円もかからないのでこちらを購入した方が後々便利でしょう。下記のリンクから覗いて検討してみてください。

イヤピース(耳穴に当てる部分)が徒歩で動いたりしている最中にずれ落ちることがある

 本製品を使うにあたって少し手間を感じてしまったのは、イヤピースという耳穴に当てて音を出すスピーカー部分につける半透明のパーツが、自分に合ったサイズに取り替えないと耳からイヤホンがずれ落ちてしまうという点。また自分に合ったサイズに変えても、歩きながら使っていると振動のためからなのかずれ落ちることがある点。右の耳側に当てるイヤホンが、すぐ近くにバッテリーも兼ねたリモコンがついているのが原因と考えられ、その重さが原因でイヤホン部分がずれ落ちることもあるのが気になりました。なので本製品を購入する予定の方は、最初にイヤピースを自分に合ったサイズに取り替える作業が必須になります。また長時間のウォーキングを行う人などはたまにイヤピースを耳に当て直す作業が必要になります。

 そして補足。筆者は過去にオーディオテクニカ社の同じような一部ワイヤレスイヤホンを購入していました。下記にその商品へのリンクを貼りますが、その商品はバッテリーが首の後ろ側にちょうどぶつかる感じになり、クリップで服の襟に留めておくことが出来ます。なのでウォーキングをしながら使いたいという方は、オーディオテクニカ社のATH-CK200シリーズを購入することをお勧めします。

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